三重県立尾鷲高校の1、2年生が12日、人工知能(AI)の利活用に関する講義を受けた。ディップ株式会社の水谷美晴さんが、生成AIが回答を作る仕組みを説明し、利用時の注意点などを伝えた。生徒は、自分の端末で実際にオンラインのAI機能を動かし、便利さを体験したほか、正確性は自身で確認することの大切さを学んだ。
同校のシステム工学科が25年度に文部科学省の「高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)」に採択されており、生成AIについては全校生徒が学ぶべき事項として講座が企画され、水谷美晴さんが、グーグルが開発した「ジェミニ」という生成AIの使い方を紹介したほか、利用時の注意点についてクイズを交えて説明した。
誰でも簡単に利用できるようになっているが、不正確な情報が出力されたり、商標や著作権の侵害をはじめ、社会的に問題のある使い方がされることへの懸念も広がっている。
水谷さんは「生成AIにより、偽情報・誤情報が増加している。自分がだまされるだけでなく、気付かずに発信してしまう可能性があるので注意を」と呼び掛け。意図的に作られる偽情報については「特殊な技能がなくても時間を掛けずにもっともらしい偽画像や映像、ニュース記事などが作成できる」と話したほか、AIの学習の元データの誤りや偏向性、推論の方法による限界などがあると説明した。
偽・誤情報にだまされない・拡散しない心得として
- 人間には信じたいものを選ぶ習性があることを認識しておく
- チェックリストの活用
- 拡散する場合はひと呼吸おいて冷静に判断する
—ことを呼び掛けた。
情報の流出の懸念もあると指摘。「入力したデータは、AIの学習に使われていると思っていい。個人情報や機密情報を入力してしまうと、それが別の人の質問の回答に使われることがある」と語った。入力しないように気を付けるほか、新たな学習に使わないような設定もできると紹介した。
生成物が既存のものや実在の人物に類似している場合は、利用をやめるか権利者から許諾をもらって使う、類似しないように大幅に加工するなどの対応が必要と呼び掛けた。
また、宿題をさせるなど「本来自分が行うべきことまで生成AI任せにしない」こと、偏見のある回答を使用しないこと、生成AIを非倫理的な行為や犯罪に悪用しないことなどを求めた。
