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犠牲者の魂パネルで紡ぐ 生命のメッセージ展 新宮市役所1階で開催中

 交通事故、殺人などで犠牲になった人の等身大のパネルと生前の写真を展示する「生命(いのち)のメッセージ展」が12日(木)まで、新宮市春日の市役所1階ギャラリーで開かれている。時間は午前8時30分~午後5時15分。11日(水)は祝日で閉庁するため開催しない。

 同展は遺族がやり場のない怒り、悲しみをパネル越しに伝える機会として全国各地で催され、昨年12月には和歌山県立新翔高校であった。市役所1階ギャラリーでの開催は初めてで、2019(平成31)年4月に東京都で発生した池袋暴走事故の犠牲者・松永真菜さん(当時31)と長女の莉子ちゃん(当時3)をはじめ、32人分のパネルが設置された。
 
 初日の9日、息子・健仁(けんと)さん(当時18)を交通事故で亡くした児島早苗さん(75)が会場を訪れた。2000(平成12)年5月、奈良県生駒市の自宅のすぐそばで、通学のためバイクに乗っていた健仁さんは運送会社のトラックと正面衝突。病院で2週間踏ん張ったが、帰らぬ人となった。
 
 パネルには犠牲者の性格や趣味に関する説明文があるのが特徴。健仁さんは、クラスになじめない友人をいつの間にか元気にさせる、人呼んで“アンパンマン”だったという。「高専1年の時、18キップで夜行を乗り継ぎ、北海道までひとり旅に挑戦。帰ってきた時は、友人・家族から尊敬のまなざしでみつめられる」。生きていれば、世界中を股にかけたはずだ。事故後のエピソードは至って簡潔に書かれていた。「家族・友人がその魂を継ぐ」。
 
 事故を機に、児島さんはNPO法人「KENTO(ケント)」を立ち上げ、事故原因の究明や対応マニュアルの作成、講演活動に取り組んでいる。「交通法規をしっかりと定め、危険運転ができない環境にしてほしい。政府を動かすには時間がかかるが、まず声を上げなければ」。辛い思いを訴えるメッセージ展は、息子との貴重な再会の機会でもある。
 
 紀南交通事故被害者の会代表で新宮市在住の中岡貴恵さん(60)と数年来の交流がある。中岡さんの母・叔子さん(当時85)も18(平成30)年12月、交通事故の犠牲になった。「これ以上、誰も離れ離れにさせたくない」。2人のパネルをじっと見据え、児島さんはゆっくりと口を開いた。
 

      2月10日の記事

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