新年度予算案を発表
太地町は6日、記者会見を開き、新年度の当初予算案を発表した。これまでの施策を継続しつつ、町制100周年を記念した商品券5000円分と物価高騰対策の商品券5000円分の計1万円分の商品券配布などを盛り込み、住民本位の町政を進めるという。11日(火)開会の町議会3月定例会に提案する。
1925年4月に太地村が太地町になってから新年度で100周年を迎えるため、記念事業として、主に町内で使える商品券を5月中旬から下旬までをめどに配布する。100周年記念の商品券は「クジラの恵みを全町民に」との考えのもと、くじらの博物館事業特別会計から1500万円を繰り出す。物価高騰対策の商品券と合わせて同時期に配る。
さらに100周年記念事業では、地域活動に貢献してきた個人・団体の表彰を5月に予定。希望世帯に対しては町史を配布する。
また、新規事業として、JR紀勢本線の活性化を目指し、小学生に交通系ICカードを配布する。対象は110人を想定。町が1枚1000円で購入し、500円分がチャージされた状態で手元に届く。子どものうちから公共交通に親しんでもらうねらいがある。また、修学旅行での特急列車の利用促進を図り、バスで行った場合との差額分を町が助成する。
ハード面では、太地駅前にバス待合所を整備。清掃センター資源ごみ分別回収場整備に向け、廃炉となった建物の解体も継続する。多目的センター横に防災備蓄倉庫も整備する。
一般会計の予算額は29億9673万7000円で、前年度比2461万3000円(0.83%)の増。町は予算案について「人件費や物価が上昇してきている中でも、子育て支援から高齢者支援まで幅広く行っている町独自の施策を維持しつつ、町制100周年を祝い、地域の活性化を目指した予算」と説明した。