「東京都民じゃないから投票できないのが悔しい」。SNSで、こんな投稿が見られた。東京都知事選で落選となったものの得票数2位の躍進を見せ、インターネットを活用した情報発信の有効性を示した石丸伸二氏。主な支持者層は10代~30代と若く、冒頭の投稿者も若者だった。
若い世代は政治に興味がない人が多く、友人にも、選挙に行ったことがないという人がいる。失望を通り越して、完全なる無関心。なんとなく選挙に行った方がいいと言われているのは知っているが、自分1人が行ったところで何が変わるのだ、というのが本音では。私もかつてそう思っていた。そんな若者の気分に風穴を開けたことが、石丸氏の功績ではないか。
2021年、当時27歳で白馬村議に当選した加藤ソフィーさんは、街頭演説や選挙カーの街宣を行わず、主にSNSで情報を発信した。選挙、政治のあり方が変わろうとしている。
情報戦の主戦場がネットに移れば、興味を持つ若者も、若い立候補者も増えるかもしれない。「新宮市民じゃないから投票できないのが悔しい」。これが絵空事ではない時代である。
【稜】