国土交通省が平成30年10月にまとめた「公共交通政策の現状と課題」では、将来の移動手段確保への高まる不安として、「公共交通が減り自動車が運転できないと生活できない」が最多で、特に地方部でその傾向が顕著との結果が出ている。
1日から運行を開始した熊野御坊南海バスは9月に熊野川町域の枝線となる小口線、玉置口線、篠尾線の3路線を廃止することを決定している。新宮市は、デマンド型交通による乗合タクシーを導入して町内の移動手段にする計画を立てている。
既に自動車での移動手段を持たない熊野川町日足に住む男性は月に数回市街地へ買い物に出かけるが不便極まりなく「死活問題」と嘆く。このままでは熊野川町民は交通難民となってしまう。
改正地域公共交通活性化再生法(平成25年5月成立)には、「日常生活等に不可欠な交通手段の確保等」などの具体化として、地域住民の通勤・通学・買い物・通院といった、日常生活を営む上での交通圏を踏まえて公共交通ネットワークを近隣市町村と一体となって再構築とある。喫緊の課題として進めるべきだ。
【茂】