年越しは、大阪の祖母の家で過ごした。普段食べられないようなごちそうをふるまってくれる祖母と叔母。いちいち私が感激していると、それをうれしそうにしていた。豊かで穏やかな時間にいることに気付き、ありがとうと伝えて熊野へ戻ってきた。
年明け早々は、風邪でダウン。仕事でもご迷惑をかけてしまったが、体調を気遣ってくれる人々の言葉に胸が温まる。子どもの時から言われてきた「助け合いを大切に」という言葉が、社会に出て身にしみるようになってきた。
ところで昨年末、好きな2人組のアーティストが突然、活動休止を発表した。悲しまれるのも励まされるのもつらいからと、最後のライブの最後の演奏が終わるまで誰にも言っていなかったという。驚いたが、本人は全てのライブを最後でいいと思って全力でやってきたと語っていたので、なんだか納得もしてしまった。
永遠に続くような錯覚にも、いずれ終わりが来るのだと悟る。だからこそ、なくなってしまったものだけではなく、今あるもの、周りにいてくれる人々に目を向けて感謝したい。そんな気持ちで年が明けた。
【稜】