やはり人は鏡で、自分が力んでいる時には、周りも力む。会話も、なんとなく意味のあるようなことを話さないといけないような気がするし、どこまで踏み込んでいいのかなど雑念が多く、あまり身にならない。逆に自分がリラックスして、かっこつけたりせずに自然体でいると、周りも余計な緊張感なく、ふんわりと意味があるようなないような会話をしたりして、そういう言葉の中に、飾らない本音やその人の性格が表れたりする。「柔よく剛を制す」とはよく言ったものだと、学びが多い。
記者としては、例えば地域の人が主催してやっているお祭りなどの催しを取材させてもらう場合。記者としては「このお祭りはどんな思いで続けていますか」と聞きたい。その文言のまま質問する時もあるが、場合によっては、「他にやる人がいないから」といった、いわゆる新聞には書きづらい回答もある。しかしそういう人にも、よくよく聞いてみたら熱い思いがあったりする。そういう時に”剛”の聞き手であっては、そういった微妙な感情を拾えなかったりする。
現在地は鏡に尋ねる。あるがままでありたい。
【稜】