全国各地で発生する自然災害現場での捜索活動にあたるNPO法人和歌山災害救助犬協会は今回も、能登半島地震の被災地に入り活動した。発災翌日に新宮市を出発したが、現地が近くなるにつれて道路事情が悪く、また、被害状況が把握しきれていない現場の混乱もあって、実際に活動できた日数は当初の予定より短かったが、その中でも懸命に活動した。
榎本義清代表によると、現地災害対策本部で活動する自衛隊と連携しての捜索で、生存者や犠牲者の発見には至らなかったものの、この現場には人がいないという確認を1軒1軒行った。途中、行方不明者の家族から捜索を頼まれることもあり、発見できずに申し訳ない気持ちになった一方で、感謝やねぎらいの言葉をかけてもらい勇気づけられたという。
自然の猛威の前に人が抗うのは難しいが、事前の備えで被害を軽減させることはできる。榎本代表も倒壊を免れた家屋でも家財道具の下敷きで犠牲になったケースがあったことを挙げ、家具転倒防止金具の取り付けはもっと積極的に進めるべきと訴えている。教訓は次に生かさないといけない。
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