• 本日の新聞広告
  • 17時更新
    三重 東紀州ニュース
  • 17時更新
    和歌山 紀南地方ニュース
  • イベント情報

紀南抄「技術との共生」

 便利になり続けるのは、良いことなのだろうか。

 ネットやスマホの普及で人の生活は飛躍的に便利になった。知らないことはその場で概要を調べられ、見知らぬ土地でも地理を把握することなく目的地にたどり着き、外へ出ずとも会議や飲み会ができる。人類は太古の昔から、火や言葉の使用に始まり文明の発達とともに利便性を向上させてきた。

 便利になるとは、言い換えれば人の能力でできることを外の機能に代替させるということである。車は足を、スマホは脳を、お金は手間や技術を代替する。

 利便性に代償はないのだろうか。便利になれば幸せになるというのであれば、例えば自殺は減り続けるかもしれない。しかしテクノロジーの進歩はその結果をもたらしていない。“喜劇王”チャップリンは「私たちはスピードを開発し、自分たち自身を孤立させた」と言った。効率的に時間を使えるようにすることが、人と人とのつながり、自然とのつながり、体を動かすことなど、人間、あるいは生き物としての基本を置き去りにさせてきた。

 利便性に人が食われぬよう、技術との共生という視点を持ちたい。

【稜】

      紀南紗

      最新記事

      太平洋新聞 電子版 お申込み
      ご購読申し込み月は無料

      イベントカレンダー

      ※イベント中止および延期となる場合がございますので、詳細は主催者へ直接ご確認頂きますようお願い申し上げます。

      ニュースカレンダー

      速報記事をLINEでお知らせ 友だち追加

      お知らせ