記者としていろいろな場所に出向くが、入社当初から大切にしていることがある。それは「取材させてもらっている」という気持ちで臨むこと。新聞社の中で、頭を下げて回る営業とは違い、記者は花形の仕事。取材先に感謝されたり、記事を書いてほしいために持ち上げられたりもする。そんな経験を繰り返すと、「取材してあげている」という勘違いが生まれる。自分がえらくなったわけではない。新聞社の看板があるから、記者の仕事ができることを忘れてはならない。
小さなことかもしれないが、取材先に車で出向いた際、できる限り駐車スペースの端に止める。例えば市役所でも入り口付近は避ける。議会取材などで長時間駐車しなければいけない場合は、来庁者の迷惑にならないよう、第2駐車場や別館の駐車場を利用するか、徒歩で出向く。
行政に対しては是々非々の姿勢で取材に臨んでいるが、不必要に上から目線になる必要はない。まれに同業者で高圧的と受け取れる態度を見ると何だか悲しくなる。まちを良くするため、これからも自分のスタイルでやるべきことを貫きたい。
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