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紀南抄「偏見」

 「偏見」という言葉は取り扱いが容易ではないなあと思う。インターネットで検索すれば、「偏見」と「差別」がセットのように扱われている場合が多い。それほどよくないことなのだろうか。

 訓読みすれば「偏(かたよ)った見方」となるが、どこにも偏らずに物事を見ることができる人がいるとすれば、それはもう神の領域ではないか。完全な中立公正など人にはできない。ならば偏見は否定されるべきではない。むしろ一人の人間の「意見」とは、いくつもの偏見の集合のことだと思う。

 「偏見」の用法で多いのは「日本人は○○だ」のように、個々の違いを無視して一方的にある社会的集団に対する思い込みを押し付ける場合だ。この場合の「偏見」をより厳密に言えば「決めつけ」になる。「偏見はよくない」ではなく「決めつけはよくない」とするなら、日本語として一つ筋が通った感じがする。

 小学校の時に「偏見で判断しないように」と教えられ、みんなはどうやって物事を見ているのだろうと不思議に感じたものだった。自分に偏ることも時には大事だろう。偏見の否定は人間性の否定ではないかと、本気で思っている。

【稜】

      紀南紗

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