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紀南抄「必要に迫られる」

 日々カタカタとキーボードを打ち付ける。書かなければいけないから言説が生まれるのか、言説があるから文章を書くのか。本来は後者であるべきなのかもしれないが、ありがたいことにこの紀南抄を週2日担当させてもらうようになってから、必要に迫られて意見や思いを自分の奥底から捻出し文章に起こす、という作業を何度も体験するようになった。

 「必要に迫られて書く」というとなんとなく受け身で消極的な印象も受けるが、「必要」がクリエイティブな方向に働くこともある。あるコピーライターが「制限は発明の父」だと書いていたが、必要に迫られることで自分の想定外の本音や言説を導き出せたりもする経験を踏まえれば、「必要は表現の父」と言っても差し支えないのではなかろうか。

 先日は那智勝浦町消防署で和歌山県消防救助技術会に向けた選手の署内選考会があった。署員によると、大会があることで普段の訓練にも張りが出るという。訓練もある種の表現行為である。大会という「必要」を作ることでその効果をより高めることにつながるのかもしれない。

 かくいう今のこの文章もまた、必要が生んだ言説である。

【稜】

      紀南紗

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