春の全国交通安全運動が6日からの10日間の日程で始まった。当地方でも各所で出発式などが行われ、啓発が進められている。
自転車通学だった高校時代、一度だけ車と接触事故を起こした。細い道から出てきた自動車が大きい道へ出ようとしていたところ、私は運転者がこちらを確認し止まってくれると踏んで横切ろうとしたが、向こうも反対側だけを注視したままゆっくりと進んできた。結果、小さな交差点で接触事故に。けががなかったのは幸いだった。
私はこれまで大きな交通事故とは無縁で生活してきた。しかし、運転する側になった今、「ここで突然飛び出てこられたらどうしようもないだろうな」と思うことがある。車を運転するということは、自分でコントロールできない範囲の事故や出来事にも責任を負うということだ。時速60キロで走っていて、急に人が飛び出してきてひいてしまっても、運転者の責任である。
私の事故の体験は社会的に見ても小さなものだが、その時感じた「交通事故はみんなが悲しい」という思いは今も残っている。暖かくなってきたこの時期に、今一度、背筋を伸ばしてハンドルを握る。
【稜】