春爛漫(らんまん)。紀南地方にはサクラの名所がたくさんあり、今のシーズンはどこを歩いていても、運転していてもサクラが目に入り、心をウキウキワクワクにしてくれる。
新型コロナウイルス感染症の拡大防止のためここ数年、新宮城のライトアップが中止となっている。ちょうちんがつるされた様子はどこかお祭り感があり、昼間の華やかな様子とはまた違った雰囲気が大好きで、毎年欠かさず見物に行っていたので大変残念に思う。
紀宝町大里の親水公園では今年、初めてサクラをライトアップしている。コロナで落ち込んだ気持ちを盛り上げ、地元を元気にしようと地域住民の有志が実施。早速鑑賞に訪れたが、暗闇に浮かび上がる姿がとても美しく、しばらく見ていなかった夜桜にテンションが上がった。同所ではサクラの植樹も行っており、これからますます名所として発展しそう。
場所によっては見ごろが過ぎ、葉桜になっているところもあるが、散る姿さえ美しいのがサクラの魅力。木の下に立ってサクラ吹雪を眺め、1年のうちのほんのわずかな日本の幸せな季節が去り行く様子を感じてみては。
【織】