新宮市出身の横田南嶺老師が丹鶴ホール会館記念講演「ほほえみの種をまこう」を行った。横田老師は「自分の都合を後回しにしていつも人のために黙って努力をしている人がいれば、その方が観音様」と語り、他の誰かの幸せが自分の幸せになるという考えの大切さを説いた。
先日は紀宝署で、署の1年間の活動に貢献したとして、1団体と4人に感謝状が贈られた。贈呈を受けた1人に話を聞くと、「ここの人はいつも優しい言葉をかけてくれる」と逆に署への感謝の言葉が返ってきた。感謝状を受け取り感謝している姿に、私の心が清々しくなった。
取材で新宮市役所を訪れ案内板を見ていると、1階の女性職員に「大丈夫ですか」と笑顔で声をかけてもらった。ちょうど目的の課の所在がわかったところだったので助けを借りるには及ばなかったが、迎え入れられているようでうれしくなった。ちょっとした声かけも、あるのとないのとでは全然違う。
紀宝署に感謝していたあの人も私に声をかけてくれた職員も、どうやら釈迦の慈愛が姿としてあらわれた観音様だったようだ。身の回りと自分の中に、観音様を探してみたくなった。
【稜】