好きな漫画の中に、こういったセリフがある。「一枚の葉にとらわれては木は見えん 一本の木にとらわれては森は見えん」というもの。
10月は新宮市の市長選と市議補選がある。どちらの選挙も3陣営出馬の様相。投票の際に難しいのは、何を見て投票先を決めれば良いかということだ。
施策を見るというのは、一つ分かりやすい。どこに力を入れようとしているのかがわかる。人柄を見るというのもある。公開されている議会の様子などが判断材料になりそうだ。
大切なのは、一つの事柄にとらわれないことのように思う。施策も見れば、人柄も見て、その背景にあるものを見て、現在の新宮市を見て、未来の新宮市を思い描き、日本社会の中の新宮市を見る。かと思えば、身近な子どもの表情を見るのも良いかもしれない。社会課題は、問題が独立してあるのではなくさまざまな事柄が関係することで生じている。
セリフはこう続く。「どこにも心を留(と)めず 見るともなく全体を見る それがどうやら 『見る』ということだ」ー。投票者は新宮市という森をどう見るか。それが純粋に投票結果としてあらわれるような選挙戦を期待したい。
【稜】