新宮市文化複合施設「丹鶴ホール」が3日、開館した。新たな文化拠点のために施工業者や近隣住民含め、さまざまな人が関わりこの日を迎えた。
開館記念式典の取材におもむくと、駐車場に誘導係の人がおり、車を案内してくれた。施設入り口には市職員が立ち、手指消毒・検温を呼び掛ける係や、受付を担当する係、会場である文化ホールへ案内する係などに分かれ、丁寧に案内してくれた。
図書館も開館し、この日は初日で閲覧のみにもかかわらず多くの地域住民が来館した。館内の案内役には図書館職員に加えボランティアスタッフも加わった。開館時間は午後1時だったが、取材のため一足先に入らせてもらった。こんな若造にもやさしく声をかけてくれる。一般図書の区画に加え中上健次コーナーや展望デッキなどにスタッフらが立ち、館内を案内していた。
とても充実した建物だが、箱は箱である。そこに息吹を吹き込むのは、こういった人々だ。事業費は国からの交付金などを含め62.5億円。計画の段階から賛否両論あったが、本当の意味で是非が問われるのはこれから。運営側の懇切丁寧な対応に、明るい兆しを感じた。
【稜】