新宮市の神倉神社例大祭「お燈祭り」(2月6日斎行)。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、一般の上り子の参加は中止とし、神職と介釈人の関係者のみ限られた人数で神事を行う。
本番に向け準備は着々と進んでいる。御神火を受ける大松明(おおたいまつ)は今年も神倉青年団が制作し、ご神体「ごとびき岩」のしめ縄も真新しいものに張り替えた。新宮市消防団丹鶴分団は清掃活動と、松明の火が燃え移らないよう、石段周辺の状況を確認した。
大松明を奉持する神倉青年団の中山忠吏団長は「上り子のいない神事は初めての経験だが、上り子の思いも背負って大役を果たしたい」と意気込む。同神社の上野顯宮司(熊野速玉大社宮司)は「今年のお燈祭りは、御神火の時刻に合わせて各ご家庭から神倉山に向かってコロナ終息の願いと、日夜闘っておられる全ての人に、また自分自身にもコロナに負けないエールの祈りをささげて、歴史上に例のない『千載一遇のお燈祭り』にしたい」と話している。
上り子の参加中止は関係者にとって苦渋の決断だったが、来年こその思いは同じ。当日はみんなで早期終息への願いをささげたい。
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