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紀南抄「じゃばらの逞しさ」

 全国唯一の飛び地の村・北山村古来の柑橘類「じゃばら」の収穫が始まり12月半ばまで続くと言う。「じゃばら栽培は北山村を過疎から守る産業となりうる」を合言葉に事業に取り組む。しかし、その現実は非常に厳しいものに。昭和57年、村内に農園を確保してパイロット事業がスタート。昭和61年には集荷出荷施設を新設し生産も順調に推移したものの、知名度や販路の狭さは否めず、村の財政に大きな負担を与え、「お荷物」と呼ばれた。

 大きな転換期が訪れたのは平成13年に僻地や飛び地の不便さを逆手にとってインターネットのショッピングモール「楽天」に販路を求めた。「じゃばら」が花粉症を緩和させるとのアンケート結果を公表したところ、マスコミに取り上げられるなど爆発的な人気となり、販路を一気に拡大。全国の消費者が手を伸ばすヒット商品となった。
 
 村からじゃばら事業を引き継いだ株式会社じゃばらいず北山が、今年の4月から営業を開始。その矢先、コロナ禍に見舞われる。何度も苦境を乗り越えてきた「じゃばら」。今回もその逞しさで閉塞感を打破するであろう。
 
【茂】
 

      紀南紗

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