今年も、新宮商工会議所青年部の和傘ライトアップが実施される。暗闇に浮かび上がる色とりどりの和傘が秋の夜長の風物詩となっており、また写真スポットとしても、若者からの人気を博している。
今回は、今年6月にリニューアルオープンした旧西村家住宅(西村伊作記念館)が会場。先日初めて訪れたが、大正時代の建物とは思えないほどモダンでおしゃれ、内部も家族団らんのための居心地のよい空間が広がっている。
伊作は文化学院の創設者として知られる。「自由で独創的な学校」「感性豊かな人間を育てる」などを掲げ、文学、美術、音楽、演劇など文化や芸術教育に取り組んだ。歴代の講師となったのは、与謝野鉄幹・晶子夫妻、川端康成、芥川龍之介、山田耕作などそうそうたるメンバーだ。卒業生にも文化人や芸術家、小説家や俳優など多数の著名人がいる。
残念ながら平成30年に閉校となってしまったようだが、関わった人たちによって伊作の精神はこれからも受け継がれていくことだろう。このような偉人が地元出身だということを、新宮人として大変誇りに思う。
【織】