紀伊半島一周の高速道路完成に向け、官民それぞれの立場でできる取り組みが進んでいる。先日、那智勝浦町と串本町を結ぶ国道42号「串本太地道路」の用地幅杭設置式が行われ、参加した関係者145人は、事業の迅速な推進と早期完成への機運を高めた。
仁坂吉伸知事はあいさつで、「2025年の大阪・関西万博までに一周道路を完成させる」とあらためて決意を示した。今年はコロナ禍で観光地は大打撃を受けているが、終息後に向け、当地域でもさまざまな誘客手段を検討中。かねて2025年の万博は大きなチャンスと捉えているが、インフラが整備されているといないでは、大きな差が出る。それだけに、県知事が“必ず”の思いで臨むのは大切だ。
那智勝浦ICや市屋ランプ付近には、事業化に感謝する横断幕や、早期完成を願うのぼりが掲出されている。道路建設では、地域で機運を高めて熱意を伝え続けていくことが早期完成につながる。形式的な要望だけでなく、地域の実情と将来展望をしっかりと打ち出していく。官民一体、同じ方向を向いてさらに活動を推進していけば、2025年の開通がぐっと近づく。
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