夜道を歩いていると、澄みきった秋の夜空にくっきりと月が輝いている。特に満月は、しばらく見とれてしまうほど美しい。今年の十五夜は10月1日。南郡熊野市の一部地域の子どもたちにとって、この日は特別な日。月が顔を出し始めるころ、各家の玄関先にお供え物と一緒に置いてあるお菓子などをいただきに回るのだ。
お菓子をもらう時の子どもたちのかけ声が「たばらしてー!」なので、通称・たばらしてと呼ばれる。たばらしてが近づくにつれて子どもたちのテンションはどんどん高くなり、当日は楽しみすぎて勉強が手につかない子もいるらしい。
そんなに素敵な季節行事なら、大人だって楽しんでみたい。趣味のバレーボールをしている人たちと今年、「大人版たばらして」を計画している。用意するものは、缶ビールやおつまみなどだろうか。ちょっと高級なお菓子も喜ばれそう。もちろんたばらしてルールに従って、1人1個ずつ。そしてもらったあとは、「ありがとう」も忘れずに。月を愛でながら、たまには童心にかえってみるのもおもしろそう。
【織】