新宮市は昨年から、熊野川町内の公共交通に関して、民間事業者の路線バスや行政バスなどの現状を見直し、市民の声を踏まえたうえで新たな形を検討していたが、このほどその内容が決まり、今月から町内各地で住民説明会を開いている。
10月1日から、事前予約制の乗り合いタクシー「デマンドタクシー」の運行を開始する。自宅やその周辺とあらかじめ設定している目的地を送迎する公共交通として導入するもので、運賃は1回100円均一。市民だけでなく、当地を訪れた観光客ら誰でも利用できる。
デマンドタクシーは近隣で見ると、熊野市が導入しており、その利用状況は好調。今回新宮市は熊野市の状況なども参考にしながらも、料金についてはかなり安価に設定した。市企画調整課によると、国や県からは低料金の設定に心配の声もあったとのことだが、市街地へ出かける場合は国道168号に出て路線バスの利用が必要なため、その分の負担も考え低く抑え、また、福祉施策の意味合いも込めて設定したという。
国の補助額は乗車率によって決まるため、利用促進へ今から積極的にPRしてほしい。
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