以前から友人に何度となく勧められていたNHK特集「列島誕生ジオ・ジャパン第2集 奇跡の島は山国となった」の再放送があったので視聴した。日本列島誕生のドラマの中で起きた4つの事件のうち、第3の事件を特集した回だ。
地球上でも最大規模に近いカルデラ噴火が、1400万年前に紀伊半島で起きたという。平原だった紀伊半島の南北40キロの半円が巨大なマグマ溜まりに陥没、マグマと火山灰が2000メートル以上も降り積もり、その後1000万年かけて火砕岩の巨石が現れる。この噴火が世界の気温を10度も下げたという大事件だった。
さらに地下には軽い花崗岩でできた巨石が誕生し、その浮力によって1000万年以上で10キロ以上も巨岩ごと盛り上がる。その痕跡が天然記念物の「古座川の一枚岩」であり、「那智の滝」、神倉神社の「ゴトビキ岩」などの巨石群。温泉もカルデラ噴火の遺産で、火山帯のない紀伊半島に「湯の峰温泉」や「川湯温泉」などは、この噴火のおかげでできた。
息を呑む紀伊半島誕生のドラマに魅せられた。我々は奇跡を目の当たりにしている。
【茂】