昨年度末に閉校した尾鷲市の三木里、三木、紀北町の引本の各小学校。来年度末には同町の海野小が閉校する。民家だけでなく、大規模な〝空き家〟も増える一方
少子化や過疎化などによる就学人口の減少は全国的な問題だが、本来の使命を終える学校が増える中、第二の歴史を刻み始めている廃校舎も多い
その一つが徳島県三好市の山あいにある旧下野呂内小学校。延べ床面積311平方メートルの小さな木造校舎が、物・食・学をテーマにした複合施設として生まれ変わった
旧木造体育館を改修した食堂の看板メニューは、近くの養豚場から仕入れた豚肉を焼き上げたパティと地元農家が育てた新鮮なトマトやレタスなど、地産地消のハンバーガー。サイドメニューにも地元産野菜をふんだんに使用。選りすぐりの品が並ぶ雑貨店などもあり、自然を生かした体験教室も開催。運動場を使ったキャンピングカーの車中泊も受け入れている
新鮮な野菜や海の幸、山の幸、海、山、川の自然があるこの地方。長年親しんだ校舎が朽ちていくのはしのびないし、再生の可能性はあるはず。住民が団結し、意見をまとめればその道は開けるように思う。
(J)