• おせち・オードブル特集
  • 「縁会」特集
  • クマ目撃情報
    十須の此々野地区
  • 本日の新聞広告
  • 17時更新
    三重 東紀州ニュース
  • 17時更新
    和歌山 紀南地方ニュース
  • イベント情報

社説「情報公開と継続的な対話」

 行政運営を行う中で大切なのは、情報公開と継続的な対話。これを行うことで住民との信頼関係が生まれ、住民の思いを反映した事業が実施できる。予算の執行など最終的な判断は議会に求めることになるが、住民の意見やアイデアを募ることが施策を成熟させる近道ではないか。

 新宮市の事業で見ると、丹鶴ホールの建設を巡っては、市内を二分するほどに賛否が分かれた。議会から促される形で急きょ住民説明会が開かれ、その後の議会では長時間にわたる議論の末、建設にかかる予算が認められたのは真夜中(未明)。さまざまな住民の声を受け、議論を尽くした上での決定だった。
 
 先日、新宮市熊野川町で開かれた県と市による住民説明会。県が市内の国道168号で行うトンネル工事で、環境基準に不適合の土砂が発生した際の搬入先として、熊野川町日足の若者広場への盛り土を検討するにあたり開催したもの。報道関係者には「決定事項を発表する場ではない」と非公開だったが、地区住民約100人が集まるほど関心の高さがうかがえた。県も市も当初、そこまでの来場者を想定していなかったのか、予定の会議室に入りきらないため、別の広い会場に変更した。住民からは事業自体への反対の声が相次いだほか、説明資料が不十分なことや、広く情報公開を求める声もあった。県の担当者は今後も丁寧な説明を続けていくとした。
 
 このような住民生活に直結する課題・問題の場合は、説明会を開くのが望ましいが、全ての事業で住民に意見を求めることは難しく、現実的ではない。普段、その役割を議員にも担ってもらいたい。地域に出向いて住民の声を聴取し、当局をただしたり提言を寄せたりする。また、行政の動きや事業の進捗(しんちょく)などを住民に伝えることも仕事の一つではないか。
 
 100人全てが賛成する施策というのはないだろう。最終的には多数決で物事を決めるが、それまでの過程で賛成・反対それぞれの意見を踏まえて合意形成がどこまで図れるか。来月には新宮市長選を控える。現職は今期での引退を表明しており、いずれにしても新たな市長が誕生する。新市長には、情報公開と継続的な対話を念頭に、市政運営にあたってほしい。
 

      社説

      最新記事

      太平洋新聞 電子版 お申込み
      ご購読申し込み月は無料

      イベントカレンダー

      ※イベント中止および延期となる場合がございますので、詳細は主催者へ直接ご確認頂きますようお願い申し上げます。

      ニュースカレンダー

      速報記事をLINEでお知らせ 友だち追加

      お知らせ