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社説「答弁の甘さが招く"論点ずらし"」

 高田グリーンランド内4施設の指定管理者選定をめぐり、開会中の新宮市議会12月定例会で議論されている。政治倫理条例という明確な基準がありながらも、初日の本会議では、候補予定者が現職議員と親子関係であるという点を指摘する"論点ずらし"の質疑が見られた。その様子が報道されたこともあり、14日の総務建設委員会には10人を超える市民らが傍聴に訪れる中、委員らは慎重審議し、賛成多数で可決すべきとした。

 同施設を現在管理する外郭団体は、高田地区との信頼関係を築きながら40年以上にわたって安定的に運営してきた。高田地区の振興はもとより、市民の憩いの場や健康増進にも一役買い、スポーツ合宿誘致にも貢献したことは大いに評価されるべきで、敬意を表したい。
 
 高田地区では、少子高齢化がますます進み、集落としての活力を維持するには、高田グリーンランドを拠点とした取り組みが今後も鍵を握る。今回の候補予定者の事業計画書では、地区と連携しながら、交流人口を増やす新たなイベントや青少年育成事業、老若男女が楽しめる文化行事の開催など、多種多様な取り組みに挑戦するとしており、高田の里の新しい魅力創出が期待できる。
 
 今定例会の本会議と委員会での質疑を見ると、当局側の答弁に甘さがあるため、論点がずれてしまうとも思える。委員会で反対の立場だった委員は、現管理者がコロナ禍で厳しい状況を耐えたことは審査に勘案されなかったのかと尋ねる一幕があったが、苦しかったのは高田GLだけでなく、市内の宿泊施設も同じ。高田GLには指定管理料が入る一方、民間の宿泊施設にはそのような固定収入はなく、より厳しい状況だったはず。当局がそのことをはっきり伝えないため、委員も疑念を抱いたままになるのではないか。
 
 賛成の立場の委員は「良くも悪くも注目されている」と発言していたが、当局の答弁一つで「悪い」という認識は打ち消すことができ、当局と議員双方が是々非々の姿勢で議論に臨んでこそ良い方向に向かう。このまま本会議で可決されると、来年4月から新体制となるが、良いスタートが切れるよう、移行準備段階から一体となった取り組みを期待したい。
 

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