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社説「広域ごみ理解促進強化を」

 東紀州5市町で進めている広域ごみ処理施設整備に関し、紀北町議会が同町当初予算に盛り込まれていた東紀州環境施設組合への負担金1901万円の削減修正を行った。組合運営に直ちに影響が出ることはないものの、四分五裂への懸念にもつながりかねない。組合が割れると、各市町の負担が増える。今後、財政状況が一層厳しくなることが見込まれる中で、地域全体にとって望ましい選択ではない。

 修正の主な理由は、建設予定地周辺の事業者が強固に反対しているため。この1年、組合議会でも「入り口の問題」として繰り返し指摘があった。組合は、環境影響調査の結果が出れば説明を行うとしている。結果が出なければ、具体的な話し合いはできないが、結果が出るまでしばらく時間が掛かる。完全には納得してもらえなくても、仕方ない、やむを得ないと理解してもらえる、話し合いの土台作りは進めてもらいたい。
 
 修正動議を提案した瀧本攻町議は「組合の脱退は考えていないが、一度立ち止まって考え直すべきだ」と訴えた。原案に賛成した奥村仁議員は「今後によっては予算凍結だけでなく、組合脱退もあり得る」と紀北町執行部にくぎを刺した。理解がないまま着工、運用開始という事態は避けなければならない。
 
 これまでのところ、住民への説明不足、PR不足と感じる。基本的な理解として、広域で取り組んで一定のごみ量を確保することでコストが安くなること、環境負荷が軽減されることを、各市町も組合も積極的に発信する必要がある。
 
 ごみ施設への理解を深めるために、新型コロナウイルス感染症の影響で4年度に実施できなかった先進地視察を再検討してほしい。少し遠くても好事例と言える場所を視察してもらうことで、最近のごみ処理施設事情をよりよく知ってもらえると考える。
 
 「現尾鷲市営野球場で」というのは、尾鷲市以外の市町から出た話で、かつ5市町で合意されている。住民への理解促進もいわば5市町の〝連帯責任〟である。環境影響調査の結果が出る新年度は、きわめて重要な年度となる。
 

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