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社説「防災行政無線の積極活用を」

 「10年に一度」と言われた今季最強の寒波は、温暖な当地方でも山間部だけでなく平野部にもこれまでにないほどの積雪をもたらせた。幸い、雪による大きな被害や事故の発生はなかったものの、日常生活のさまざまな面で影響が出た。

 新宮市は25日のごみ収集を2時間ほど遅らせた。南檜杖にあるクリーンセンター周辺の道路が積雪により早朝から動けない状況だった。職員の安全が第一で、妥当な判断だが、同センターによると、いつもの時間に収集に来ないため、「天候の関係で休止になったのか」「いつ収集に来てくれるのか」など、問い合わせの電話がかなりの件数あり、職員が対応に追われた。
 
 急きょの変更を知らせるには、防災行政無線が有効と思われるが、新宮市ではこの使用に関して「命に関わるような事案」という規定があり、今回のようなごみ収集の遅れの周知では原則、使用できないと説明する。一方、那智勝浦町では、今回の雪の関係で町民に周知を急ぐ事案はなかったものの、例えば町民バスが運休などになれば、防災行政無線で放送する準備はしている。同町は以前から、戸別受信機の無償貸与を希望する世帯に進めており、これまでに全世帯の3割を超える約2700世帯に貸与済み。注意喚起の放送のほか、イベントの周知などでも幅広く活用している。
 
 新宮市も今年度から、優先順位を付けながらではあるが、戸別受信機の無償貸与を始めた。市のホームページから登録できる防災メールで放送と同内容を受信できるが、特に高齢者世帯では、まだまだ放送に頼るところが大きい。
 
 非常時ほど住民にとって情報は大切になる。命に関することが最優先であるのはもちろんだが、生活に関わるインフラについても影響があるなら、行政はあらゆる方法を使って情報を伝える努力をすべきでは。住民側からすれば、情報を入手できれば安心感が生まれ、次の行動への準備もしやすくなる。行政側も今回のごみ収集の事例で見れば、職員の電話対応の負担が減るはずだ。新宮市は来年度以降も防災行政無線の無償貸与を順次進める方針を示しており、それならばこの機会に使用規定を見直し、有効な広報手段にしてもらいたい。
 

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