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社説「適正定数の議論 継続的に」

 新宮市議会9月定例会で議員発案により提出され、総務建設委員会で継続審議となっていた「新宮市議会議員定数条例の一部を改正する条例」が先日の同委員会で採決の結果、賛成少数で否決となった。12月定例会本会議で委員長によって報告され、そこで質疑応答・討論を経て最終的に採決される。

 議員定数削減の議論は、人口減少が進む地方の多くで行われており、議会改革の柱の一つと言える。新宮市議会は前回選挙時に定数2削減し現行の15人となったが、その後も人口減少が進んでいること、辞職による欠員で現在は13人で運営していることなどを踏まえ、今回の削減案が提出されたものの、議論するには時間が短く、委員会では否決の判断が下された。
 
 一方、来年1月に選挙が行われる紀宝町議会は今回から定数2減の11人となる。那智勝浦町議会は昨年から特別委員会で議論を続けた結果、先日の委員会で次回選挙から定数1減の11人とする方向で調整し、12月定例会で正式に決めることになった。
 
 このような周辺自治体の動向、さらに“市民不在の議会”などと揶揄(やゆ)の声も聞かれる市民感情を踏まえると、新宮市議会はこれで終わるのではなく、適正な定数について今後も継続した議論が必要だろう。来年春の統一地方選で改選を迎えるが、新体制では特別委員会を設置し、議論を深めてもらいたい。
 
 9月定例会では議員個人間の争いによる議事進行が相次ぎ、正常な議会運営ができない状態となり、傍聴席の市民からは不満の声が漏れていた。以前から続くこのような流れに終止符を打つべく、議長が今後は個人間の争いによる議事進行は受け付けないという異例の判断を下した。また、本会議での発言の前段階で無関係な質問を行い、市長もその質問への回答を準備するなどの茶番も必要ない。
 
 議会は当局のチェック機関で、住民と当局とのパイプ役を担うのが議員の務め。SNSが発達し、パイプ役がなくとも直接当局に意見しやすい環境になったものの、やはり普段の議員活動の中で集めた市民の声を議会の場で代弁し、より良いまちづくりのために力を尽くすというのが原点であることに変わりはない。そのように奔走する議員が少なければ、定数削減の世論は高まる。市民に期待感を抱かせるような議会、議員であれば、そのまちの未来は明るい。12月定例会では市民を主役とした質の高い議論が展開されることを願う。
 

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