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社説「熱中症、コロナ…乗り越えて」

 今年の夏は「災害級の暑さ」と称されるように、6月後半から全国各地で連日、猛暑が続き、熱中症と見られる症状を訴える人も相次いでいる。新型コロナウイルス感染症の再拡大もあって都市部では救急搬送がひっ迫する現状も報告されている。この夏、熱中症と新型コロナ感染予防の両方に注意を払う必要がある。

 ”暑さの質”が以前とは違うことを理解し、冷房の使用を控えるなど無理な我慢をしないこと。体感が鈍くのどの渇きを感じにくい高齢者や、体温調整機能が十分に発達していない子どもは特に注意が必要で、気温が最も高くなる日中は不要不急の外出を控え、屋内で冷房を適正に利用しながら十分な水分や塩分を補給して過ごすよう努めてほしい。

 熱中症は処置が遅れると命を落とす危険があることも知っておくこと。厚生労働省の統計では、2018年の猛暑で1581人が亡くなっている。環境省と気象庁が熱中症予防対策の一つとして昨年4月から運用している「熱中症警戒アラート」では、熱中症の危険性が極めて高くなると予測された際に、危険な暑さへの注意を呼び掛け、予防行動をとるよう促している。こうした情報にも注視し、一人一人が予防を意識することが大切だ。

 8月から9月にかけて本格的な台風シーズンとなる。当地方では紀伊半島大水害(2011年)で甚大な被害を受けたのをはじめ、以前は台風の通り道として毎年、いくつかの台風が上陸していた。このところ台風による大きな影響を受けていないことや、コロナ禍で自治会単位の防災に関する研修会や訓練ができていないことなどを踏まえると、住民の防災意識がやや希薄になっていることも考えられる。

 今後、台風の接近等で避難所を開設する機会は出てくるだろう。注意しなければならないのは感染防止と熱中症への対策だ。冷房設備が備わっていない体育館などは、人が集まればその分温度も上がる。避難所でクラスター、あるいは熱中症患者搬送といった”二次災害”を起こさないために、各自治体は避難所の状況を再点検し、2つの対策をマニュアル化したうえで、広報などを通して住民に知らせておく必要があるのではないか。

 このほか、暑さが続けば食中毒の発生にも気を付けなければならない。厳しい夏だが、まずは自分自身の命を守る意識と、各自治体のリスク回避を念頭においた準備と情報発信によって乗り切りたい。

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