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社説「御浜町長 説明責任は…」

 新型コロナウイルス感染症で、高齢者対象のワクチン接種の動向に日々注目が集まる中、御浜町の大畑覚町長が一般高齢者の接種(23日から集団接種)に先駆けて、9日に1回目の接種を受けていたことが分かった。

 町の説明では、紀南病院の医療従事者への接種でキャンセルがあり、病院側が同院の管理者をしている大畑町長に接種を打診。ワクチンを無駄にしないための取り急ぎの判断として接種することになったという。大畑町長は管理者といっても平時に病院を訪れることはなく、副管理者の紀宝町長と熊野市長は接種していない。事前に話し合いや取り決めがあったのかは定かではないが、貴重なワクチンを無駄にすることを思えば致し方ないことなのか。
 
 仮に取り決めがされていても、御浜町民・紀宝町民・熊野市民へ公の場で説明責任を果たす必要はある。それは3市町で運営する紀南病院組合だからだ。この件に関して、20日までに大畑町長の公式な見解はなく、町議会に対する説明もないのは、あまりに不誠実だ。
 
 近隣の自治体を見ると、接種は高年齢順とするところが多いが、御浜町は5月~6月にかけて行う5回(計390人)の集団接種の予約を、65歳以上一律に先着順で受け付けたところ、電話が殺到。予約初日(4月28日)の午後2時で受け付け終了と混乱が見られた。町民からは「ずっと電話をかけ続けたが、つながらなかった」という不満の声が出た。ある議員によると、電話が2回線しかないことに、混乱が予想されるから改善するよう提言したが、聞き入れようとしなかったという。
 
 今回の件が問題視される背景には、予約方法の不備など、当局の見通しの甘さ、すなわち執行責任者である大畑町長の対応にある。町民の暮らしを守るべき人が混乱を招いておきながら、自らの接種について説明しないことは大問題だ。
 
 国からのワクチン供給にめどが立ち、高齢者の接種は7月中の完了に向け、これから各自治体で本格化する。御浜町でも集団接種の第2弾の予約の案内を送付済みで、近く始まる予定。町の担当課によると、前回の反省を生かし、予約方法で改良したというが、その前に大畑町長には説明責任を果たしてもらいたい。
 

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