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社説「事業者支援 広報を」

 新型コロナウイルス感染症で影響を受けた中小企業や個人事業主向けの経済対策としてきた、国の持続化給付金と家賃支援給付金の両制度の申請は2月15日で締め切られる。持続化給付金は1回の現金支給、家賃支援給付金は6か月間の家賃補助と、いずれも長期の対策を見据えたものではなく、感染再拡大の状況にあらためて対策を講じるよう求める声は強い。しかし、国はこうした事業者の声に必ずしも前向きとは言えず、この地方でも苦境を乗り越えるために事業者の自助努力が続いている。

 コロナ禍限定でなくとも、国は事業者を対象にさまざまな支援制度を設けている。「ミラサポplus」という政府の公式Webサイト。中小企業向け補助金・総合支援サイトで、補助金や助成金、給付金、貸付、税の優遇措置などの最新情報のほか、会員登録することで自分自身にあった情報を入手することができる。昨年4月に旧サイトからの刷新に伴い、今後拡充されていく電子申請をサポートする機能も強化している。
 
 かなり便利で使い勝手のよさそうなサイトだが、果たしてどれだけの人がこれを知り、活用したことがあるだろうか。周知不足は否めないのでは。国のサイトではあっても、事業者に最も身近な行政機関である市町村が広報すべきで、よりどころである商工会議所(商工会)にも間に入ってもらうことで事業者も救われるのではないだろうか。
 
 新宮市は先月、市役所別館に「新型コロナウイルス感染症対策室」を開設した。コロナ関連のあらゆる情報収集と発信、相談業務などを担うとしている。ぜひ、「ミラサポplus」を一例に、さまざまな支援制度について、受け身ではなく、事業者に向けてしっかりと発信してもらいたい。その際、デジタルが不得意な人がいることも念頭に、積極かつ丁寧に寄り添うサービスも必要。
 
 この地域の経済の停滞が続けば税収は減り、各自治体の財政を圧迫するだけでなく、人口減少にも拍車がかかる。そうなってからの対策では遅い。感染予防と経済対策はやはり両輪で進めなければならない。各自治体のトップが親身になってくれれば、住民や事業者の気持ちも前向きになるのでは。
 

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