紀南地方の高校のトップを切って、新宮市の近畿大学附属新宮高校で25日、令和6年度(第60回)卒業式が行われ、104人が巣立った。
同校は卒業生全員が参加できるよう、例年本格的な受験シーズンを前にしたこの時期に卒業式を実施している。
式では、池上博基校長が各クラスの代表に卒業証書を授与。式辞では、「皆さんは本校の教育方針のもと、楽しくやりがいのあることについてはもちろん、苦しく、悲しく、腹が立ち、投げ出したいことに対しても、友人や保護者、教員の力を借りながら、最終的には自分の力で頑張ってくれた。自分の課題を自分で主体的に解決する力を身に付けてくれたことと確信している」と述べた。新たなステージでは、さまざまな苦労や課題に直面することがあるとし、「『何とか自分で解決し、進歩することができました』と言える近畿大学附属新宮高等学校の卒業生として、自信と誇りを胸に激動の社会を力強く生き抜いて」と言葉を送った。
在校生からは木村遼太郎さん(1年)が「新しい生活が始まる皆さんには、多くの楽しみや喜び、驚きが待っていると思います。一方で、不安や心配、逃げ出したくなることもあるかと思います。ですが、どんな時も私たちを楽しませ、一緒に楽しもうとし、私たち後輩を今日まで引っ張ってくれた先輩方なら、どんな困難も笑顔でうまく乗り越えていけると信じています」と送辞。
これに応えて卒業生代表の前田一成さんが答辞。入学以来、仲間と一緒に笑ったり、泣いたり、悩んだり、決断したり、落ち込んだり、開き直ったりした日々の連続だった高校生活を振り返りながら、「高校生だった自分にはもう戻れない。私たちはそんな眩しく、もう触ることのできない思い出の先に立っている。卒業する私たちはみな成人となり、それは、不自由だと思っていた制限から解放される代わりに、責任の重さを理解すること。未成年という盾に守られていた今までと決別し、それぞれの判断で正しさを見極め、行動していかなければならない」と決意を示した。学校生活を支えてくれた教職員、そしてどんな時も一番の味方でいた家族に対し感謝をつづったあと、「支えてくれる人々へ感謝の気持ちを忘れず、自分らしさを大切に、悔いのない人生を歩んでいきたい」と前を見据えた。