紀北町引本浦の引本神社で24日夜、行灯(あんどん)祭りが行われた。5年ぶりに行灯が並んだ境内には住民が集まり、受験生の合格祈願も行われた。
同神社には「天神様」、学問の神様として知られる菅原道真が祀(まつ)られている。初天神(1月25日)に合わせて、地元の子どもたちなどが絵を描いた行灯を持ち寄って境内に飾っている。
新型コロナウイルス感染症の流行で2021年から行灯を並べることを取りやめていたが、今年は24日から2日間、再び行灯を飾ることにした。地元を中心に募集した。午後6時ごろから境内に設置した台に届けられた行灯を飾り付け、中のロウソクに火をともした。
並んだ行灯は200個ほどで、好きなアニメのキャラクター、関船祭りや御祖(みおや)祭りの写真、ペット、力士などの絵が描かれていた。自分の行灯を見つけ、スマートフォンで写真を撮影している人もいた。
学問の神様にあやかって、今年から合格祈願も行った。午後7時に地元の中高生4人が家族や神社関係者とともに参列し、玉串をささげて合格を祈願した。
合格祈願に参列した杉田雄飛さん(尾鷲高2)は「来年は受験で、進路をどうするかをしっかりと決めていきたい」と顔を引き締めた。高校受験を控えた堀口紗良さん(三船中3)は「今はしっかり勉強しなければいけないので、高校に合格したら思いっきり遊びたい」と話した。
総代会の大和逸郎責任役員代表は「行灯が思ったよりもずっと多く集まり、住民は待っていてくれていたんだな、と思った。芯になるものを残して新しいことを取り入れながら、この伝統を続けていきたい」と話した。