三重県立熊野古道センターは25日(土)午後1時30分から、新熊野学講座「熊野観心十界曼荼羅の役割と意義について」を開く。三重県総合博物館(みえむ)学芸員の瀧川和也さんが講話する。
熊野三山の信仰の拡大に尽力したのは熊野比丘尼(びくに)で、彼女らは絵図「熊野観心十界曼茶羅」を折りたたんで持ち歩き、往来の人々に絵解きと呼ばれる解説を行いながら熊野への参詣を勧め、堂舎造営のための寄付を募った。
熊野比丘尼が持っていた曼荼羅は縦1.5メートル、横1.3メートルあり、何枚かの和紙を貼りつないだ大画面に生と死を主題に描いた宗教絵画。上部には人の一生を表す坂道、その下には仏、菩薩をはじめとする迷いと悟りの十の世界が描かれている。
講座では、瀧川氏が、戦国時代から近世の初めにかけて使われたと考えられている同曼荼羅について、県内に残る作例を中心にスライドを使いながら解説する。
定員は申し込み先着順80人。締め切りは今月24日(金)。申し込み、問い合わせは同センター(0597-25-2666)。