紀北広域連合は8日、第10期介護保険事業計画策定委員会の初会合を開いた。委員らが計画策定の趣旨を共有。8月に実態把握のためのアンケートを行うことなどを確認した。来年2月ごろに計画が固まり、次期保険料が決まる。
同計画は介護保険の保険給付を円滑に行うため、必要な介護サービス量(計画目標量)や施設の数などを見積り、それに基づいて介護保険料を設定するためのもの。3年に1度見直している。第10期計画は2027(令和9)年度から29(令和11)年度が対象となる。
介護保険制度は2000(平成12)年度にスタート。次期計画終了時には30年を迎える。この間、高齢化の進展に伴う要介護者の増加に伴い介護給付費も増えており、介護保険料の引き上げも続いている。また、2025年には団塊の世代が後期高齢者となり、40年(令和22)年には団塊ジュニア世代が高齢者となることで現役世代1.5人で高齢者1人を支える社会になる。このことから、介護が必要になっても住み慣れた地域で安心して自分らしく暮らし続けられるように、医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの深化・推進が必要となっている。また、認知症基本法が施行され、認知症の人の人格と個性を尊重しつつ支え合う社会に向けた取り組みも求められている。
第10期計画について事務局は、厚生労働省の社会保障審議会介護保険部会で介護保険制度の改正に向けた審議が行われていて、7月中にも基本指針案が策定されることになっており、同指針や三重県の関連計画などとの整合性を図りながら策定を進めると説明した。
高齢者の23.9%が認定
人口減、給付費増の傾向
昨年10月の状況は、尾鷲市と紀北町の人口合計2万8649人に対して高齢者は1万316人。高齢化率は46.0%で、県平均(2024年10月)の30.9%、全国平均(同)29.3%に対して高くなっている。要介護・要支援の認定者数は要支援1.2が816人で、9期計画の見通しに比べ96人多く、要介護1~5が2331人で見通しに比べ158人少なくなっている。認定率は23.9%。特に要支援1と要介護4で見通しより認定者が多い。
25年度の介護保険給付費は約44億7331万円で、このうち訪問看護が見通しに比べ67.6%、小規模多機能型居宅介護が39.9%の上振れ。予防給付費は約8885万円で、介護予防訪問看護が計画値の2倍強となっている。訪問看護については23年度に新規に3施設ができたためとしている。
財政状況に関して「破綻する懸念は」との質問に対し、事務局からは、人口減少と給付費の増加で、改定のたびに保険料額が上がっている。収入は微増」と説明。給付に対する保険料負担などの割合が定められていて「収入は見込みがあるものなので、制度自体はすぐに破綻するものではない」と回答した。また、もともと1割負担だった利用料が、2割負担、3割負担の人が増えていることの説明があった。
アンケートは介護予防・日常生活圏域ニーズ調査で、介護認定を受けていない高齢者2100人が対象。住んでいる場所に偏りがでないよう調査対象を割り振る。
委員からは、オンラインで回答する仕組みの導入に関する質問があったが、事務局は「検討したが費用の問題などがある」として今回は見送ったことに理解を求めた。
今後、給付実績の分析や計画目標量の設定などに取り組み、骨子案を作成して11月に第2回会議を、その後、素案を作成して来年1月ごろに第3回会議を開く。パブリックコメントなどを経て2月ごろに最終案を決定することにしている。
委員は次の皆さん。かっこ内は所属。
- 今西義宜 (紀北医師会)
- 八原康好 (歯科医師会尾鷲支部)
- 村田新一 (紀北薬剤師会)
- 世古清人 (尾鷲市民生委員児童委員協議会)
- 𦚰順子 (紀北町民生委員児童委員協議会)
- 大西正隆 (尾鷲市老人クラブ連合会)
- 工門功 (紀北町いきいきクラブ)
- 山本雄一 (尾鷲市社会福祉協議会)
- 森下昭弘 (紀北町社会福祉協議会)
- 上村治 (介護老人福祉施設代表)
- 原徹 (介護老人保健施設代表)
- 倉崎洋次 (学識経験者)
- 吉田常盤 (尾鷲市健康づくり推進員)
- 五味正樹 (紀北町元気づくり推進員)
- 小野秀子 (介護支援専門員協会紀北支部)
- 上田守美子(県看護協会尾鷲地区)
- 村田淳 (社会福祉士会紀北支部)
