津波避難タワー設置も
新宮市の三輪崎区は7日夜、三輪崎会館に上田勝之市長を迎えて懇談するとともに、三輪崎会館の建て替えや津波避難タワーの設置など6項目について取りまとめた今年度の要望書を仲西博光区長が手渡した。
この日は今年度第2回の組長会で、区役員と各組長ら約25人が出席した。田岡実千年前市長の時代から年に1回程度、懇談の席を設け、区の課題や要望を伝えるとともに、市政報告を受けていた。昨年10月に就任した上田市長との懇談は初めて。
1977(昭和52)年に竣工し、49年が経過した三輪崎会館について仲西区長は「経年の老朽化により至る箇所で不具合が散見される。地域住民の交流や防災活動、各種会合の場として重要な役割を担っているが、現状では施設の安全性や機能性の面で深刻な課題を抱えている」とし、「対症療法的な補修を繰り返すことにより修繕費が比例的に増大し将来的なコスト管理の悪化が懸念されるため早急な対応が必要と考える。現施設を解体し新たな会館の建築を強く要望する」と述べた。
上田市長は「今年度に耐震診断を行い、耐震補強を含めた大規模改修を進めるのか、建て替えにするのかを判断させていただきたい。市の方向性が決まってくれば、皆さんに相談したい」と見解を伝えた。
津波避難タワー設置について仲西区長は、前市政時代から要望を繰り返しているが、いまだ抜本的解決に至らず、住民の不安は限界に達していると指摘。さらに、地区内に避難できる3階建て以上の建物は三輪崎小学校と夏山組、避難場所としては三輪崎八幡神社以外になく、避難体制として脆弱で早急の改善が必要なこと、併せて市が推奨する「水平避難」(遠くへ逃げる)は、自力での長距離移動が困難な高齢者が今後も増加することが見込まれており厳しい現状があると訴えた。
上田市長は、「海が近く怖いという心理的な不安や、高齢化が進み走って逃げるのが難しく、近場に避難施設がないという状況を踏まえると、整備を検討していく必要がある。少し時間がほしい」と応じた。
三輪崎北東部の高森地区に向かう道路は一本しかなく、その道路の一部は急傾斜土砂災害警戒区域に指定されており、災害時に高森地区が孤立する可能性があるとして、「高森道路」の早期整備も要望。上田市長は、今年度の予算に調査費を計上しており、まずはルートの選定を行うことを報告した。
このほかの要望項目では、区内にAED(自動体外式除細動器)が22か所に設置されているが、24時間使用可能なAEDは3か所にとどまっているため、これの拡充を求めた。三輪崎八幡神社上に整備した一時避難場所に、水や食糧、毛布などを保管する防災備蓄倉庫の設置も要望。国の有形民俗文化財に指定の三輪崎青年会館への空調設備の整備に関しても配慮を求めた。
