熊野古道の魅力を手描きで伝える「熊野古道おぼえがき絵地図展」が30日(月)まで、新宮市役所1階ギャラリーで開かれている。時間は午前8時30分~午後5時15分(最終日は4時まで)で、開庁日のみ観覧できる。
作品を手掛けたのは、田辺市在住の絵地図作家・いこまわかこさん。奈良県出身で、結婚後に和歌山県へ移住し、熊野古道の魅力に惹(ひ)かれ、古道の道普請に携わりながら絵地図を描いている。これまでに大辺路や古座街道、小栗街道などを手掛け、2024年には田辺から本宮までの中辺路を完成させた。
今回の展示会の中心作品は、その続編となる「川の参詣道」。熊野本宮大社を起点に、川を下って巡礼した新宮までのルートをテーマにしている。昨年6月から制作に取りかかり、実際に古道を歩き、川下りも体験しながら、文献や地域住民の話をもとに構想。平安時代から現代へと続く長い歴史を思い浮かべながら仕上げたという。
原画は4枚構成で、本宮から新宮に至るまでの迫力ある見どころや瀬・淵の名前などが細かく描き込まれており、じっくり鑑賞できる内容となっている。作品は、田辺市龍神村の伝統工芸品の手漉き和紙を使用し、同市鮎川の特産である色付きの炭・彩煙墨で描写。素朴で温かみのある風合いが来場者の目を引いている。
会場にはこのほか、串本町の橋杭岩や中辺路町野中を題材にした作品も並ぶ。いこまさんは「川の参詣道をたどることで、熊野の雄大さを改めて実感した。絵地図を通してその素晴らしさが伝わればうれしい」と話し、体験としての川下りも勧めている。今後は、新宮から熊野那智大社へと続く古道の制作にも取り組む予定という。
