紀北町オリジナルのオペラ「ややと海の子ども」に見入ってしまった。白浦に伝わる「母子鯨」を下敷きにしていて、自然の美しさと厳しさを伝える物語で、よくぞここまですばらしい作品をつくってくれた、と感動した。
記事を書いて、見出しをつける段になって「名作」とするかどうかで悩んだ。個人的には名作に間違いないが、記事の中核に主観を入れてよいものか。いや、政治経済ならばいざ知らず、せっかく誕生した町オリジナルのオペラに心を寄せずして何が地方紙か。待て待て、その感想には地方紙としての欲目が入ってしまうのは否定できない。推敲以前の迷走も結論は出ず、別のアプローチをとることにした。難問から逃げ出してしまった、気はしている。
オペラ制作を主導した町出身のテノール歌手は「紀北町で長く愛される作品になってくれれば」と願う。今後も町民が鑑賞する機会はあるだろうし、子どもたちや住民が演じる側にまわることもあるだろう。名作かどうか、皆さんの心にお任せしたい。
(R)
