『たき火』という童謡がある。「垣根の垣根の曲がり角、たき火だたき火だ落ち葉たき」で始まる。この時期に似つかわしい曲だが、今の子どもたちは保育園や小学校で歌うのだろうか。
自分が小中学生の時、落ち葉を集めてたき火をしている人がまだいた。焼き芋を分けてもらったり、自宅にあるサツマイモを持っていき焼いてもらったりした思い出がある人もいるのでは。火災予防、また、環境問題の観点から2001年4月から野焼きが禁止され、今では見なくなった。
今年の夏、戦後80周年をテーマとしたラジオをよく聞いた。その中で『たきび』の話題が取り上げられていた。
ラジオで聞いた話と、ネットで読める無料の百科事典で日付が少し違っているが、この曲は太平洋戦争開戦の頃に初めてラジオで放送された。直後に「(たき火の明かりが)敵機の攻撃目標になる」と軍部からNHKに批判があったよう。終戦後、昭和24年まで「お蔵入り」状態だったそう。戦時中の悲しい出来事の一つ。同じ歴史を繰り返してはならない。
(M)
