尾鷲の魅力といえば、まずは魚とヒノキ、そして透明度の高い海、深く豊かな森、世界遺産の熊野古道が思い浮かぶ。もちろんそれらも良いが、個人的には空と星も良い。夜空だけでなく、昼の快晴は青く澄んでいて、まちなかに飾られている大漁旗も映える。「天高く馬肥ゆる秋」を食欲以外でも実感できる。
尾鷲をイルミネーションで彩る「キラキラおわせ」の話を聞いて、もちろん意欲的な取り組みではあるものの、尾鷲の夜は星空を生かしたアプローチが得策なのでは、とも思いながら点灯式の取材に向かった。
駐車場のマルシェの雰囲気も良く、カウントダウンからのイルミネーションは想像以上だったが、特に子どもたちのはしゃぎようがすごかった。地元の子どもたちのかけがえのない思い出になったのなら、それだけでやった価値はあった。
この地域は漁業や林業のまちであり、人々が住む普通のまちでもある。イベントでは地域の特性だけでなく、素直に自分たちが楽しめる普遍的な価値もまた重要だと学んだ。
(R)
