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紀南抄「大横綱へ上り詰めて」

 待望の日本出身横綱の誕生。大相撲夏場所で2場所連続4回目の優勝を果たした大関大の里が、26日に開かれた横綱審議委員会で満場一致により横綱への推薦が決まった。横審の会議はわずか6分で終了したことからも、大の里の成績も内容も文句なしだったことを象徴していた。
 
 初土俵からわずか13場所で角界最高位に上り詰めた。輪島の21場所を大きく上回る史上最速、なおかつ負け越し知らず。今場所は特に正攻法で相手をねじ伏せる強さが際立っていた。令和の大横綱の誕生を予感させる。
 
 決してエリートではなく、努力の積み重ねが実を結んだと、本人はもとより近しい関係者が口をそろえたのが印象的。石川県出身の大の里。子どものころはそこまで圧倒的ではなかったという。それでも高みを目指すために中学から新潟県の強豪校へ相撲留学。中高の6年間の厳しい稽古で基礎をつくり、日体大時代には2度のアマチュア横綱に輝くなど将来期待の星となった。
 
 昭和の大横綱である北の湖のパワーと千代の富士のスピードを兼ね備えたものがある。相撲好きからすればたまらない横綱だ。
 
【F】

      5月27日の記事

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