犯罪や非行をした人の立ち直りを支える保護司についてのセミナー「生きづらさを生きていく~立ち直りを支える人になりませんか?」が8日、東長島公民館で開かれた。保護司の活動に関心のある40~70代の15人が参加し、保護司の活動や制度の説明を受け、現役の保護司2人からの実例の紹介があった。
尾鷲保護区保護司会の保護司は23人で定員の28人を割り込んでおり、さらに高齢化が課題となっている。担い手不足解消へ、活動を知ってもらおうと、同会が初めてセミナーを企画。法務省津保護観察所の保護観察官が「保護司活動へのお誘い」をテーマに、保護司の役割や制度について「保護司は犯罪や非行をした人の再犯の防止や改善更生にとても重要な役割を担っている」などと説明した。
保護司は、犯罪や非行をした人の地域で支えるボランティアで、全国に約4万7000人、県内では16の地区保護司会に673人が活動している。非常勤の国家公務員で
- 保護観察を受けている人と面接して指導や助言を行う
- 刑務所や少年院に入っている人の帰る先の生活環境の調整
- 犯罪を予防するための啓発活動
ーに取り組んでいる。
尾鷲保護区保護司会の牧野正人会長は「犯罪者は暴力的な人というより、どこか弱さがある人が、怖さや自己防衛のために犯罪に走ってしまうことが多く、誰か寄り添う人がいれば、もしかして犯罪者にならなかったのでは、と思うことが多い。罪は消えないが、再犯を起こさせないために、仕事をして自立して生活し、しっかりと寄り添っていくことが重要」と保護司の活動の意義について語り、「保護司についてより知ってもらうことが大切だと考えて初めて企画したが、みんなのために何かしたいという人が多いということを実感した」と話した。