東京都知事選は現職の3度目の当選で幕を閉じた。乱立する候補者、掲示板ジャック、ヤジに選挙妨害と話題は多い選挙だったが、特に組織の後ろ盾のない前安芸高田市長の石丸伸二候補が立憲民主党と日本共産党が支援した蓮舫候補を上回った点は興味深い。
石丸氏の首長としての実績や今後の方針は関知するところではないが、SNSや動画投稿サイトを活用した手法で結果を出したととらえている。動画を発信して興味を引き付けて街頭演説に足を運んでもらって票をつかみ、その街頭演説は撮影されて新たな動画を生んで拡散される。積極的な動画発信と精力的な街頭演説が相乗効果を生み続ける、この手法が非常に有効だったと評価できる。
おそらく今後は全国的にこの手法を模倣してくるケースが出てくることは想像に難くない。本紙地域のような高齢化率の高い地域で効果的かは疑問符がつくものの、時代によって変わっていく選挙にどう対応していくのか、地方紙としてもしっかり考えていかなければならない。
(R)