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不連続線「伝統継承への不安」

 この年末年始は新型コロナウイルス感染症の第8波が直撃した、という感がある。本紙地域も例外ではなく、6日から3日間は東紀州5市町で200人前後の新規陽性者が確認されており、誰が感染してもおかしくない状況が続いている。それでも〝ウイズコロナ〟で進み、感染症対策を徹底しながらも社会や経済を回している。

 この時期は伝統行事も多いが、その特色に合わせて実施の是非が分かれている印象。相賀神社の八幡祭りの板の上の式や道中踊りは今年も中止となったが、まちなかを関船が練った。八幡祭りに限らず、記事でも「3年ぶり」と書くことは多い。

 祭事の一部が再開しつつあるのは伝統の継承という点からも価値がある。例えば、町々で祷を回していくような祭事は祷が回って来る期間が5年や10年にもなり、よりいっそう深刻な問題になる。

 地域に根付いた伝統は、祖先の営みを今日に伝えるものであり、その一つ一つに先人の息遣いを感じることができる貴重なものだ。コロナだけでなく過疎化による担い手不足などは重い問題で、終息後は伝統の継承についていよいよ向き合わざるを得なくなる地域も増えるのでは、と懸念している。

(R)

      1月12日の記事

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