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不連続線「多様な人の参画ができる施設に」

 尾鷲市議会の男性議員が病気の後遺症で、右手の自由が利かない状態になっている。リハビリ中だが、利き腕だけあって大変らしい。
 
 尾鷲市役所にはエレベーターがない。階段の手すりは片方だけ。議会の本会議、委員会とも3階で行われるが、降りる時に不便を感じるそう。階段中央にある手すりを右手でつかめないため。質疑外の発言だったが同僚議員が「壁にも手すりがいる」と当局に指摘。
 
 市役所庁舎は昭和36年築。昔の建物なので、いわゆる健常者の利用しか想定していない。耐震補強が行われているが、エレベーター設置は財政難で見送られた。
 
 少し前、紀北町議が現場視察で足をけがし、杖をついて議会に出席していた。紀北町の本庁舎はエレベーターがある。階段だけだったら難儀したことだろう。
 
 「健康のありがたみは失って初めて分かる」と言われるが、けがや病気、高齢化による身体の衰えは誰にでも起こり得る。だからこそユニバーサルデザインが求められている。今のままでは体の不自由な人が議会に参加できない。多様な人の社会参画を担保するためにも、市も議会もすぐには無理でも対策を考えていかなければならない。
 
(M)

      12月11日の記事

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