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紀南抄「虫の鳴き声で温度が分かる」

 朝晩の風が涼しくなってきたように感じる。今年は外出も憚られるような酷暑の夏だった。それ故に秋の到来を待ちわびている人は多いのではないか。

 クーラーなしでは考えられないほど近年の夏は暑い。エアコンの機能が冷房に限られていた時代、メーカー各社では需要が最も多い夏をすぎた9月末に売上高を集計していた。この区切りを空調業界では「冷凍年度」と呼んでいたが、平成15年に廃止された。しかし、この区切りの名残から、今でも冷凍年度の新年度にあたる秋に、新商品を発表するメーカーが多いのである。
 
 コオロギやスズムシの鳴き声は、“秋の風物詩”。じつは温度計を見なくとも、コオロギの鳴き声で気温を知る方法がある。気温が下がると動きが遅くなって鳴く回数が減り、気温が上がると活発になって鳴く回数が増えるという変温動物の特性を利用した計算式だ。まず、コオロギの鳴く回数を15秒数え、これを数回行った平均値に8を足す。それに5をかけ、最後に9で割った数が気温となる。コオロギが15秒で平均25回鳴いたとすると、気温は約18.3度となるわけだ。
 
【茂】
 

      9月10日の記事

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