• 2024年人事異動
  • 本日の新聞広告
  • 17時更新
    三重 東紀州ニュース
  • 17時更新
    和歌山 紀南地方ニュース
  • イベント情報

紀南抄「言の葉」

 「ふるさとの言葉の中にすわる」。種田山頭火の一句。瞬時に感覚を呼び覚ますような不思議な力がある。
 
 昔からちょっとした言葉遣いの誤りや言い間違いを指摘される家に育ったためか、言葉には関心がある。幼い頃にテレビの音楽番組で、リズム感のある言葉を面白おかしく紹介しているコーナーがありすごく感心した。印象に残っているのは「高津区」。神奈川県川崎市に実際にある区なのだが、意味を無視して語感だけに集中すると「タカツク」。繰り返すと「タカツクタカツク」。まるで打楽器で軽いリズムを取っているような音である。
 
 言葉を意味以外の視点からとらえているところに惹かれた。そう考えてみると会話も音である。元お笑い芸人の島田紳助氏は「会話にもキー(調子)がある」とした。話の上手な人はその音感が優れていて、絶対にキーを外さないのだという。話した瞬間、そこに調子が生じる。
 
 言葉には、人には到底理解しえない領域があると感じる。例えば、本当によい文章表現について考える時、私は、何も書かなくても伝わる事なのだろうという矛盾した解にたどり着く。
 
 【稜】

      紀南紗

      最新記事

      太平洋新聞 電子版 お申込み
      ご購読申し込み月は無料

      イベントカレンダー

      ※イベント中止および延期となる場合がございますので、詳細は主催者へ直接ご確認頂きますようお願い申し上げます。

      ニュースカレンダー

      速報記事をLINEでお知らせ 友だち追加

      お知らせ