大切で本質的な行いは目に見えにくい。
新宮保健所長から11月28日、「麻薬・覚せい剤乱用防止運動の功労者に対する感謝状」が対象者に伝達された。山口範之さんが「厚生労働大臣感謝状」、尾﨑只子さんが「和歌山県薬物乱用対策推進本部長(和歌山県知事)感謝状」を受け取った。
感謝状は、薬物乱用防止活動に顕著な功績を示した団体・個人に対し贈呈されるもの。啓発活動などを通して、いわば薬物乱用が「起こらなかったこと」が功績となる。困ったことに、この成果は数えることができない。とある事象について”ない”ことの証明が非常に困難であることから「悪魔の証明」と呼ばれるように、薬物乱用がその活動によって未然に防がれていたとしても、認知のしようがない。ただ、数値評価ができないからといって、その活動の重要性は変わらない。
今回の薬物乱用防止に関しては「感謝状」という形が与えられているが、ごみ拾いや草むしり、近所でのあいさつに至るまで、ほかのあらゆる地道な活動にはそれすらない場合がほとんどである。しかしそれらの地道な積み重ねが、たしかに地域を形づくっているのだと思う。
【稜】